症状について

首は、頭と胴体をつなぐ部分であり、全体重の1割程度の重さがある頭を支える部位でもあるのですが、これを上下左右に動かしたり、回したりするなど日常生活で頻繁に用いられます。

頸部とも呼ばれますが、この首の筋肉、関節、神経などに何らかの負荷が加わるようになれば、痛みや張り、こりなどの症状がみられるようになります。

原因によって頸肩部(首や肩の周辺部分)のみに痛みを感じることもあれば、頸肩部だけでなく腕の部位まで痛みを感じることもあります。

首に原因疾患がある場合、以下のような症状が現れるようになります。

  • 首が痛む
  • 首を動かすと痛い
  • 首にこりがある、重く感じる
  • 肩あるいは肩甲骨周辺に痛みがある
  • 肩から腕の範囲にかけて痛みが出ている
  • しびれの症状が腕や手、手指にみられる
  • 手に力を入れるのがしんどい
  • 首の痛みに頭痛も伴っている
  • 交通事故に遭ってから首に痛みや違和感が続いている など

原因はひとつとは限らない

原因については、首の筋肉の緊張もあれば、加齢などによる頸椎の変形のほか、椎間板や神経が障害を受けていることもあります。

また内臓疾患(心疾患や肝疾患 等)が引き金となって、首や肩が痛むこともありますが、このような場合は首などの動きと連動して症状が起きることはありません。

頸椎症

頸椎とは、背骨(脊椎)のうち首の部分にあたる骨を指します。加齢などによって頸椎の椎骨や椎間板が変性し、骨棘が形成されたり椎間板がすり減ったりすることで、周囲の組織や神経に負担がかかる状態を頸椎症といいます。

中高年の男性に多くみられ、主な症状は首の可動域制限、首や肩の痛み、こりなどです。神経が圧迫されると、肩から腕、手にかけてしびれが生じることもあります。

治療は基本的に保存療法を行います。痛みに対してNSAIDsやプレガバリンなどの薬物療法、神経ブロック注射を行うほか、必要に応じて頸椎カラーによる装具療法やリハビリテーション(運動療法、物理療法)を行います。

保存療法で症状が改善しない場合には、手術療法を検討します。

頸椎椎間板ヘルニア

頸椎にある椎間板の髄核が後方に飛び出し、脊髄や神経根を圧迫する状態を頸椎椎間板ヘルニアといいます。

30~50代の男性に多く、原因として遺伝的要因、加齢、喫煙などが挙げられます。

主な症状は、首の後ろの痛みや首の可動域制限です。神経根が圧迫されると、腕から指先にかけての痛みやしびれ、脱力、感覚障害などが現れることがあります。また、脊髄が圧迫されると、手先の細かな動作がしにくくなる巧緻運動障害や歩行障害、運動麻痺などが起こることもあります。

治療は基本的に保存療法から行います。頸椎カラーなどで安静を保ち、NSAIDs、プレガバリン、ミロガバリン、筋弛緩薬などの薬物療法や、神経根ブロックなどの神経ブロック注射を行います。

また、症状に応じてリハビリテーション(物理療法、運動療法)も行います。

保存療法で改善がみられない場合や、重度の脊髄症状がある場合には、前方除圧固定術や椎弓形成術などの手術療法を検討します。

頸肩腕症候群

首や肩から腕、手にかけて痛みやしびれ、こりなどがあるものの、明確な原因を特定できない状態を頸肩腕症候群といいます。

長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、前傾姿勢を続ける方に多くみられます。

主な症状は、首や肩のこり・痛み、腕にかけてのしびれやだるさです。頭痛、めまい、倦怠感などを伴うこともあります。

治療では、まず姿勢や生活習慣を見直し、長時間同じ姿勢をとらないよう、こまめに休憩をとることが大切です。適度な運動やストレッチも有効です。

痛みに対しては、NSAIDsや筋弛緩薬などの薬物療法、トリガーポイント注射を行うことがあります。症状に応じて、リハビリテーション(物理療法、運動療法)も行います。

頸椎捻挫

一般的には「むちうち」と呼ばれ、多くは交通事故などの際に、首が前後に強く振られることで起こる外傷です。

骨折や脱臼はみられず、筋肉や腱、靭帯などの軟部組織が損傷します。画像検査(レントゲン検査等)では異常が見つかりにくいこともあります。

主な症状は、首の痛みやしびれ、耳鳴り、頭痛、吐き気、めまい、倦怠感などです。受傷直後は症状が軽くても、時間が経つにつれて痛みなどが強くなることがあるため、できるだけ早めの受診をおすすめします。

治療では、症状に応じて頸椎カラーで首を固定して安静にしたり、NSAIDsやアセトアミノフェンなどの薬物療法を行ったりします。

多くの場合、数週間で症状は軽減していきます。状態に応じて、無理のない範囲で首の可動域を広げるリハビリテーション(運動療法、物理療法)も行います。